読者の悩みを解決するブログ記事の書き方のコツ【ディベーターの思考法】
「ブログを更新しているけれど、意味のある記事をかけているか不安だ。」
「ターゲットを決めたり、悩みを解決したりすることが大事なのは知っている。でも、ちゃんとできているか微妙だ..」
このような悩みを持つ方に、記事を書くときに必須のディベーターの思考法を解説していきます。
この記事を読むとどうなる?
- ターゲットを決め、読者を想定するときのコツがわかる
- 読者の悩みを確実に解決する記事を、書けるようになる
- 記事の価値を見定めて、自信を持って書けるようになる
この記事を書いている私は、即興型英語ディベート歴2年。文章を書くときに、ディベートの思考法がすごく役立っています。
記事の書き方✖️ディベート思考
競技ディベートをやっています。
ディベートの世界では、初心者ディベーターが最初に学ぶ、基本となる思考法がいくつかあります。その思考法は、ライティングをする上でも大切な考え方で、応用ができます。
なぜなら、ディベートも記事のライティングも、「人を説得する」という共通の目的があるからです。
ディベートとブログ記事の共通点
競技ディベートにおける勝利条件は、第三者であるジャッジを説得することです。
例えば、「ある政策を行うかどうか」についての論題では、賛成・反対側にわかれた両チームが、ジャッジを説得するためにスピーチをします。そして、ジャッジにその政策をとらせた or とらせなかったチームの勝利です。
同様に記事のライティングも、その目的は読者を説得して、特定の行動をとってもらうことです。
- 解決策を提案して、実行してもらう
- ある商品やサービスを買ってもらう
- サイト内の他の記事を読んでもらう
そのため、ディベート思考はライティングに役立ちます。
(※英語ディベートがどんな競技かは、こちらで詳しく解説しています。)
ディベートとは何を競う競技?【NA, Asian, BPのルールも解説】 – Debate図解ノート
競技ディベートは一体何を競うものなのか知りたいですか?この記事では、ディベートがどんな競技なのかを説明します。また代表的な3つのスタイル、NA、Asian、BPについてルールや特徴も比較しています。ディベート初心者の方は是非記事をご覧ください。
重要な3つのディベート思考
今回は、記事を書くときに役に立つディベート思考を、3つご紹介します。
- 読者を想定するアクター分析
- 悩みを解決するためのSQ・AP思考法
- 記事の価値を測る三角形
順番に解説していきます。
【思考法①】記事の読者を想定する「アクター分析」
1つ目の重要なディベート思考が、アクター分析です。
これは、その政策により影響を受ける人(アクター)を特定し、それがどんな人たちか?を深掘りしていくことです。アクターの特徴を分析することで、その人たちが受けるメリット(デメリット)を明確にすることができます。
そして、記事を書くときに分析するアクターは、もちろん読者です。読者を詳しく想定することで、その人たちのメリットになる記事を書くことができます。
アクター分析の2つの評価軸
とはいえ、ここまでの内容は他のライターさんの記事でも書いていることです。いわゆるペルソナの設定です。
そこで、ここではディベーターがアクター分析で特に注目する、2つの軸を解説します。それが、「Incentive (動機)」と「Capability (能力)」です。読者を想定するには、この2点に注目してください。順に説明します。
① 「何がしたいか?」に注目する
まず最初に注目する軸は、Incentive (動機)です。読者があなたの記事をクリックする動機を考えます。なぜなら、読者の動機を満たすことは、そのまま読者にとってのメリットになるからです。
基本的に、記事を検索する人は、何らかの情報をほしがっています。その「〜を知りたい」という動機を5Wで深掘っていくと、漏れなく分析することができます。
- Who (誰が)
- When (どのタイミングで)
- Where (どんな場面で)
- What (何を知りたい)
- Why (なぜ知りたい?)
具体例
例えば、こちらの記事『図解の作り方を完全公開』では、Webデザインツールを使用した図の作り方を解説しています。そのときは、以下のようなアクター分析を行っています。
- どんな場面で図解をしたい?【where】
→ブログ、Twitter、仕事、ゼミの発表 - どんなタイミングで検索をかける?【when】
→これから作らなければいけない資料がある。(基本はパワポ?) - なぜわざわざ検索する?【why】
→みんなを感心させるような資料・かっこいい資料を作りたい
情報発信に付加価値をつけたい
読者の動機は、ひとつの大事な注目点です。
② 「何ができるか?」に注目する
次に注目する軸は、Capability (能力)です。読者が「その時点で何ができるのか?」に注目します。
なぜなら、同じ動機を持っていても、読者のレベルによって必要な情報は異なるからです。
具体例
例えば、こちらの記事『図解の作り方を完全公開』でも、読者のレベルによって必要な情報が異なります。
- Webデザインツールを触ったことがない人
- デザインツールはパソコンに入っているが、使うのに慣れていない人
- デザインツールを使いこなすことができるが、図の構成の仕方に悩んでいる人
おそらく、①の人が必要な情報と、③の人が知りたい情報は異なります。記事の精度を高めるには、「どのレベルのCapabilityを持った人に届けるか?」も絞る必要があります。
IncentiveとCapabilityに注目することで、読者を想定することができるようになります。
【思考法②】悩みを解決する記事を書く「SQ・AP思考」
2つ目の重要なディベート思考が、SQ・AP思考です。
SQは「Status Quo(現状)」の略で、APは「After taking Plan(その提案をとった後)」の略です。ディベートでは、SQとAPを対比させ、その差分を考えることで、提案がどれだけ有益なものかがわかります。
この思考をライティングに当てはめると、以下のようになります。
- SQ : あなたの記事を読む前の、読者の状態
- AP : 記事を読んだあとの、読者の状態
読者のSQとAPを考える
記事を書き始める前には、読者のSQとAPを考えましょう。
SQは、記事を読み始める前の読者の状態です。これは、先ほど説明したアクター分析の結果が、そのまま当てはまります。
- 〇〇について、悩みを抱えている。
- 〇〇をしたいけど、やり方がわからない。
- 〇〇が起こって、不安な気持ちになっている。
APは、あなたの記事を読み終わった読者が、どのような状態になっているか、ということです。例えば、以下のような感じです。
- 抱えていた悩みが、解決されている。
- 知りたかった情報を、知ることができている。
- 記事を読んで、楽しい気持ち・安心した気持ちになっている。
差分のない記事は書かない
SQとAPを最初に決めることで、読者にとって確実に価値のある記事を書くことができます。
なぜなら、「SQとAPの差分 = 記事の価値」だからです。そこに少しでも差分があるなら、あなたの記事には確実に、価値があります。
逆に、差分を意識せずに記事をかくと「いろいろ情報は載っているけれど、結局役に立たなかった記事」になってしまいます。SQ・AP思考は大切です。
APが記事のゴールになる
SQ・AP思考にはもう1つメリットがあります。記事を書くときに迷わなくなることです。なぜなら、最初に決めたAPが、目指すべきゴールになるからです。
書いている途中で、「あれ、自分は何を書いているんだっけ?」と迷子になることを、防ぐことができます。
【思考法③】記事の正しい「価値をはかる三角形」
最後の重要なディベート思考が、「価値をはかる三角形」です。
ディベートでは、その提案の価値を決める、2つの大きな基準があります。「解決性 (solvency)」と「固有性 (inherency)」です。
「解決性 (solvency)」は、「問題がどの程度解決されるか」という軸です。2つ目のの思考法で説明した、SQとAPの差分がこれにあたります。
そして、もう1つの重要な軸が、「固有性 (inherency)」です。
固有性は、「その提案でしか、この問題を解決できないのか?」という評価軸です。いわゆる、相対的な価値になります。
- 固有性が高い : その方法でしか解決できないので、価値は相対的に大きくなる
- 固有性が低い : 他の方法でもOKなので、価値は相対的に低くなる
ブログ記事における固有性
これをブログ記事に当てはめると、記事の固有性は、「あなたの記事にしか書かれていない情報か?」という評価軸です。
いくら読者の悩みをうまく解決している記事でも、同じ内容が他の100個のサイトに書かれていたら、その記事の価値は下がります。あなたの記事にしかない情報が、少しでもあればOKです。
固有性を出すには?
記事に固有性を出すことは、そこまで難しいことではありません。具体的には、以下のような方法があります。
自分の経験・感情にフォーカス
自分の経験や、その時に抱いた感情を詳しく書いてみると、固有性を出すことができます。なぜなら、感情や経験は、人によって必ず違うものだからです。ただの日記になってしまわないよう、解決性を意識しながら取り入れていくとOKです。
複数の分野をつなげる
ある分野の知識を、別の分野に当てはめることで、固有性が生まれます。
例えば、この記事がそうです。「ブログの書き方」や「ディベーターの思考法」について書かれた記事は、結構あります。しかし、この2つをつなげている記事は、おそらく他にありません。これを行うと、アイデアの量が一気に増えるので、オススメです。
※ある分野の知識を別の分野に応用することを、アナロジーと呼びます。こちらの記事で解説しているので、興味がある方はオススメです。>>アナロジーの意味をわかりやすく図解する【ディベーターが使う】
図やイラストを取り入れる
これも、このサイトで行っている固有性を出す方法です。どの分野での発信でも適用することができるので、オススメです。
※当サイトの図解の作り方をこちらの記事で解説しています。>>『図解の作り方を完全公開』
固有性を出して、さらに記事の価値を高めましょう。
まとめ
この記事では、ブログ記事のライティングに役に立つディベート思考を3つご紹介しました。
- 読者を想定するアクター分析
- 悩みを解決するためのSQ・AP思考法
- 記事の価値をはかる三角形
この記事が皆さんのお役に立てれば幸いです。