【イノベーション・オブ・ライフ】名著から学ぶ人生の決断を間違えない方法
「人生の大事な決断を間違えないための知識を得たい。」
「名著『イノベーション・オブ・ライフ』から何が学べるかを知りたい。」
「この本を読んだ人の、くわしい感想を聞きたい。」
このような悩みを持つ方へ、クレイトン・M・クリステンセンの名著『イノベーション・オブ・ライフ』を読んで、大事だと思った2点をご紹介します。
この記事で書いていること
- 私たちが人生の決断でしてしまう間違いとは
- 自分の「ありたい姿」をもつ大切さと方法
私もこの本を2, 3回読みましたが、その度に自分の人生について考えることができる本です。
なお、本書はクリストン・M・クリステンセン、ジェームズ・アルワース、カレン・ディロンの共著となっています。
イノベーション・オブ・ライフの概要
この本の著者の1人であるクレイトン・M・クリステンセンは、著名な経済学者です。「イノベーションのジレンマ」などの有名な理論も提唱しています。
そんな彼らが、企業の経営のための理論を、私たち個人の人生にも適用して、「どうすれば人生の大切な場面で正しい決断ができるのか?」をテーマにしたのがこの本になります。
ひとりの人生をテーマに
経済学の大家が人生についての本を書いたのは、個人の集まりである企業がかかえる問題や解決策は、そのまま個人の人生でも同じだと考えたからです。
次のようないくつかの理論を使い、仕事、人間関係、子育てなどの大事な場面で間違った判断をしない方法を教えてくれます。
- 優先事項の決め方
- 計画と偶然の機会のバランス
- 計画を実行するための資源配分の方法
専門書とはちがい、だれもが関係する人生というテーマについて、読みやすい文章で書かれています。
この記事で書いていること
ここでは、私がこの本を読んで大事だと思った2点をご紹介します。
- 人生の決断で私たちが陥りやすい過ちとは
- 自分の「ありたい姿」をもつ大切さと方法
本書を手にとる際の、参考になれば幸いです。
Point①「私たちが陥りやすい間違い」
本書ではキャリア、人間関係、子育てなどの大切な場面で、私たちが決断を間違える理由が分析されています。そこに共通する理由はなにかというと、私は次のように感じました。
短期的で目に見えやすい成果に集中し、長期的で目に見えにくいがもっと大事なものをおろそかにしてしまう。
なぜなら、短期的な成果は私たちに前進しているという安心感や、興奮をあたえてくれるからです。一方、長期的なものごとは退屈で、その重要さを忘れてしまいがちです。
仕事と人間関係のトレードオフ
この過ちが現れる場面のひとつは、まさに「パートナーや家庭より、仕事を優先してしまう」ときになります。
達成動機の高い人たちが陥りやすい危険は、いますぐ目に見える成果を生む活動に、無意識のうちに資源を配分してしまうことだ。これは、キャリアであることが多い。
「イノベーション・オブ・ライフ」, C. M. クリステンセン他著, 櫻井祐子訳
なぜなら、仕事はしばしばもっとも目に見える成果をもたらす活動だからです。例えばこんな感じに..
それに対して、パートナーとの関係や子育てで得られるものは、数値では測れない見えにくいものであり、また何年も後になってやってきます。
立派な子供を育て、伴侶との愛を深めることに時間と労力をかけても、成功したという確証が得られるのは、何年も先のことだ。
「イノベーション・オブ・ライフ」, C. M. クリステンセン他著, 櫻井祐子訳
また、キャリアの選択という場面だけを見ても、同じくこの失敗は起きやすいです。すなわち、目に見えやすい収入を過度に重視して、自分の本当の興味ややりがいを軽んじることで、後悔する人は多いといいます。
この自然な傾向を抜け出す
ではどうやってこの間違いを防ぐのか。私が考えた大事なことのひとつは、一度立ち止まり、この傾向に意識的になって考えることだと思います。
なぜなら、著者が本の中で繰り返していたキーワードのひとつは、「私たちがこの選択をあまりに“無意識”に、そして“自然”にしてしまう」ことだからです。
そしてこのすべてを、適切な時間枠で考えなくてはならない。つまり、長期をおろそかにして短期に集中しがちな、自然な傾向を覆すということだ。
「イノベーション・オブ・ライフ」, C. M. クリステンセン他著, 櫻井祐子訳
長期的に見て自分に幸福をもたらすものは何か、じっくり考えてみるといいかもしれません。また、次に紹介する「自分の自画像をもつ」ことも役にたつと思います。
イノベーションオブライフ②「自画像を持つ」
続いて、私が大事だと感じた2つ目のことです。それは、自分の「目的やありたい姿」を持つことです。
なぜなら、前述した長期的に大切なものを見極めるためにも、自分がこの先どうありたいのかを考える必要があるからです。そして、成果が見えにくい中でも、大切なものには早くから投資をしなければいけないからです。
苗木は一夜にして日陰を生み出せるほど、早く大きく成長できないのだから。日陰をつくるほど高く育つ木がほしいなら、長年かけて辛抱強く育てる必要がある。
「イノベーション・オブ・ライフ」, C. M. クリステンセン他著, 櫻井祐子訳
本書では、自分の目指したい姿のことを「自画像」、そこに向かって努力することを「献身」と呼び、大切な過程のひとつだといいます。
自分の目指したい姿がわからない
しかし、実際のところ「自分の目指したいことがわからない」というのが、多くの人の抱える一番の悩みだと思います。本書の中で、そのような悩みのヒントになる考えを見つけたので、ご紹介します。
「自分が本当になりたいのは、どのような人間だろう?」という問いに答えるためにこそ、献身する。
すなわち「ありたい姿は一度で決めてしまわなくていい。目標に近づきながら変えていいし、近づくことで目指したい姿が明確になる。」ということだと思います。
まずは、自分の気になるもの、少しいいなと思うものを見つけて、その方向に歩き出してみるといいかもしれません。
【まとめ】この本が与えてくれるもの
本記事では。名著『イノベーション・オブ・ライフ』を読んで大事だと思った2つのことをご紹介しました。
- 私たちが人生の決断で陥りやすい間違い
- 「ありたい姿」を持つ大切さとその方法
この本に書いていることは、そこまで奇抜なことではありません。仕事を優先するあまり家庭をおろそかにしてしまう、というのはいろいろな映画やドラマでも見る状況です。
本書が与えてくれる大きな価値は、この本を読むことで人生について考える機会や時間をくれることだと思います。
私も本書を読んで、以下のことを考えました。
そして、本記事を書くにあたって時間をあけて2回読みましたが、その度に考えが深まるのを感じました。
この記事では触れていない、子育てなどの重要なテーマについても書かれています。ぜひ少し時間をとって、本書と一緒に大事なことを考えてみてはいかがでしょうか。この記事が皆さんのお役に立てれば幸いです。