ディベートでわかりやすく話すコツ【スピーチのAREA】
「ディベートでもっと上手いスピーチをしたい。」
「もっとわかりやすく話すためにはどうすればいいの?」
このような悩みを持つ方に、この記事ではスピーチのフレームワーク「AREA」を解説します。
この記事で書いていること
- スピーチの基礎AREAとは?
- AREAを実践する
- さらに強いスピーチをするために【AREA上級編】
この記事を書いている私は、即興型英語ディベート経験者。AREAと向かい合い続けて2年以上です。
スピーチのAREAとは?
AREAというのはスピーチのフレームワークです。このフレームに沿うだけで、わかりやすいスピーチを作ることができます。
- Assertion 結論
- Reason 理由
- Example 具体例
- Assertion 結論
例えば、”THW introduce grade retention in compulsory education.(義務教育に留年制度を取り入れるべき)”というモーションの肯定側の場合。スピーチの構成は以下のような感じになります。
- A【結論】
留年制度をつくることで、生徒が学力を確実に身につけられるようになる。 - R【理由】
なぜなら、学力が身につくまで自分のレベルにあった学年で学習できるから。 - E【具体例】
例えば、すごく勉強が苦手な子も同じ学年で2回も勉強すれば内容を理解できるよね。 - A【結論】
だから、留年制度をつくることで、生徒が学力を確実に身につけられるようになる。
このように、簡単にわかりやすいスピーチをすることができます。
AREAがわりと最強な理由
AREAはもっとも基本的なフレームでありながら、もっとも強力です。ディベート初心者だけでなく、世界大会出場選手などがこのフレームに忠実なスピーチをしていることも多いです。
AREAが強い理由は次の2つです。
理由① 結論ファーストを徹底
AREAに当てはめることで、必ず結論からスピーチを始めることができます。
結論から話すことはもっとも重要です。
結論を最初に話さない場合、聞き手の頭には「この人は何が話したいのだろう?」「最終的に伝えたいことは?」という疑問が浮かびます。その状態では、なかなか相手の話が入ってきません。
一方で結論を最初に話すと、後から話すことを全てその結論に結びつけることができます。聞き手は迷いやストレスなく、話を聞くことができます。
理由② ReasonとExampleのコンボ
主張の理由をReasonで話し、Exampleで具体例に落とし込みます。実はこのコンボは最強です。なぜなら、お互いの欠点を補い合っているからです。
言い換えるなら、Reasonは根拠を抽象化したもの、Exampleは具体化したものです。この2つには、以下のようなメリットとデメリットがあります。
この2つを組み合わせることで、頭で納得し感情にも訴える根拠を説明することができます。
ディベート以外にも役立てることができる
このAREAを身に付けると、日常の他の場面でも役立てられるようになります。
もともと、AREAはディベートのためだけのものではありません。スピーチ、プレゼン、ライティングなど、いろいろな分野で広く使われているフレームです。
私自身はディベートをを通してこのAREAを知りました。しかし、その後は授業の発表やレポート、このブログなど、必ずAREAを意識して作っています。その結果、以前よりもわかりやすい内容を短時間で準備できるようになりました。
このAREA、かなりおすすめです。
AREAを実践する
ここからはAREAを実際にディベートの中でどう活用するのかについて、2点説明していきます。
①スピーチを作るときはサインポスト+AREA
スピーチを作るときに、AREAと同じくらい大切なものがサインポストです。AREAがアーギュメント単位のフレームワークなのに対して、サインポストはスピーチ全体の骨組みです。
サインポストは、各AREAのかたまりに番号とラベルをつけるような働きをします。スピーチの冒頭で一度、番号と名前を列挙しておきましょう。格段に聞きやすいスピーチになります。
②AREAで聞き、AREAで反論する
AREAを活用できるのは、自分たちの話をするときだけではありません。相手の話もAREAに当てはめながら聞くことで理解しやすくなります。
私は相手のスピーチをメモするときに、メモ用紙に「A」「R」「E」「A」という文字を先に書いておきます。相手の話をこの型に当てはめながらメモします。すごくおすすめです。
反論するときは、相手の話したこと+AREAです。本当に万能ですね。
冒頭の”THW introduce grade retention in compulsory education.(義務教育に留年制度を取り入れるべき)”の肯定側への反論の場合、以下のようになります。
- 相手の話したこと
自分にあった学年でもう一度勉強することで、確実に学力を身につけることができる。 - A【結論】
それは違います。留年した生徒は勉強に対するモチベーションをを大きく失います。 - R【理由】
なぜなら、留年制度は生徒の自尊心を大きく傷つけ、コンプレックスになるからです。 - E【具体例】
例えば、クラスで1人だけ下の学年になったときのことを想像してみてください。あなたなら学校に行きたいですか? - A【結論】
留年した生徒は勉強に対するモチベーションをを大きく失い、勉強ができなくなります。
さらに強いスピーチをするために【AREA上級編】
この記事の前半で、ディベート上級者もこのAREAを意識してスピーチをしていると書きました。しかし自分なりにAREAにアレンジを加えて活用している人も多いようです。ここでは、さらにステップアップするためのAREAの使い方を解説します。
Reasonは複数考える【神殿を作る】
主張をより強固なものにするために、理由は複数個あったほうが良いです。神殿のイメージです。反論により理由を折られても、残りの理由で主張を支えることができます。
具体例は各理由に対して説明することが理想です。ただ理由が多い場合は時間が足りないことも多いので、必要に応じて説明するのがいいと思います。
Exampleの解像度を上げる
理想的な具体例は、聞き手が「頭の中でその情景が浮かぶ」ように説明をすることです。なぜなら、具体例の役割は「ジャッジの感情に訴えること・心を動かすこと」だからです。
具体的には以下の2点を意識するとよいと思います。
- 登場人物の設定を細かく説明する。(性別、年齢、立場、家族構成など..)
- 感情を表現する言葉を多く使う。
Assertionはわりと丁寧に説明
AREAの中でもっとも難しいのが、実は最初のAssertionの説明です。
最初のAssertionで意識することは、アーギュメントの流れを軽くなぞるということだと思います。
NGな状態を説明します。
初心者の頃に私もやっていたことが、「Assertionを一言で済ませる」ということです。本当に最後の結論だけを抜き取ると、このような形になってしまいます。
そうなってしまう場合は、Assertionを「そのアーギュメントの概要」というイメージで話してみてください。その結論が起こる理由の部分にもほんの少しだけ触れながら、一連の流れをさらっと話します。
ここは練習で徐々に慣れていきましょう。
まとめ
今回の記事ではスピーチのフレームワークAREAを説明しました、
- スピーチの基礎AREAとは?
- AREAを実践する
- さらに強いスピーチをするために【AREA上級編】
AREAは、もっともシンプルかつ最強のフレームです。ぜひAREAマスターを目指しましょう。
この記事が皆さんのお役に立てれば幸いです。
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ディベーターにオススメな本
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