ディベートで使うサインポストとは【わかりやすいスピーチのコツ】

スピーチのコツ ディベート

「ディベートでサインポストという言葉をはじめて聞いた..」
「サインポストをうまく使えるようになりたい。」

このような悩みを持つ方へ、この記事を読むとサインポストのすべてがわかります。

 この記事で書いていること

  1. サインポストとは?
  2. サインポストが強い理由
  3. ディベート上級者のサインポスト

この記事を書いている私は、即興型英語ディベート歴2年。サインポストと日々向き合っています。

ディベートのサインポストとは?

ディベートのサインポストとは?

サインポストは、話したい内容が複数あるときに、どの順番で何を話すのかを最初に伝えることです。

例えば、以下のような感じです。

私が話したいことは3つあります。
(I have three arguments.)
1つ目に〇〇、2つ目に〇〇、3つ目に〇〇です。
(Firstly, 〇〇. Secondly,〇〇. Thirdly, 〇〇.)

サインポストの目的

サインポスト(signpost)は、直訳すると「道しるべ」です。

そして、「道しるべ」を辞書で調べると、こんな意味。

道路の十字路や分岐点に立てられた交通標識。
通行人が迷わないように、道路に目的地までの距離や方向を示すために設置された。

サインポストの目的は、通行人(ジャッジ)が道(スピーチ)に迷わないようにすることです。サインポストのあるスピーチは、親切です。

サインポストを立てる場所

サインポストは、スピーチの分岐点に立てましょう。スピーチには分岐点があります。すべての分岐点に立てるのがベストです。

とはいえ最初は、スピーチの序盤にアーギュメント単位のサインポストを立てることができればOKです。逆に言うと、ここのサインポストは必須です。なぜなら、スピーチの中で最も大きな分かれ道だからです。

例えば、話したいアーギュメントが3つのとき。典型的な構成は、こんな感じです。

  • イントロ
  • サインポスト
    「アーギュメントは3つあります。1つ目に、〇〇。2つ目に、〇〇。3つ目に、〇〇。」
  • アーギュメント①
    「1つ目のアーギュメントは〇〇です。」
  • アーギュメント②
    「2つ目のアーギュメントは〇〇です。」
  • アーギュメント③
    「3つ目のアーギュメントは〇〇です。」

分かれ道には標識を立てることを、忘れないでください。

ナンバリングとの違いは?

サインポストに似た言葉に、ナンバリングがあります。ナンバリングは、内容に数字を振ることです。

一方でサインポストは、ナンバリングにラベリングを組み合わせたものです。数字と言葉(タイトル)を振ります。

サインポスト = ナンバリング(数字) + ラベリング(言葉)

数だけでなく言葉で、話の内容を伝えましょう。

ディベートでサインポストが強い理由

サインポストを使うと、ジャッジ(聞き手)に親切なスピーチになります。それは、ジャッジの頭の中で、次の2つのような変化が起こるからです。

  1. 目的地がわかる
  2. フレームができる

① 目的地がわかる

スピーチは「道」です。ディベーターが作ります。

ジャッジは、その道を進みます。ただし、自分からは進めません。車か何かに乗せられて、勝手に進みます。休みたくても、どんどん進みます。決まった時間、進み続けます。それなのに目的地を知らされていないと、不安です。

【サインポストが強い理由①】目的地がわかる
サインポストで目的地を伝えておきましょう。安心です。

② フレームができる

サインポストを話すことで、フレームができます。収納棚です。これは重要です。

【サインポストが強い理由②】フレームができる

ジャッジは勝敗をつけるために、内容を整理し、こねくり回します。ときに並び替え、比較し、また戻す。出し入れをしやすいように、適切な棚を用意しましょう。きれいにラベルが貼ってあると、整理しやすいです。

サインポストはどこでも使える

ディベートで身に付く話し方のコツは、日常生活でも応用できるものが多いです。スピーチのAREAなどのフレームワークも。

サインポストはどこでも使える

その中でもこのサインポストは、他の場面での応用が最も簡単です。なぜなら、話の構造自体を変える必要がないからです。道端に立てるだけでOKです。いろいろな場面で使えるので、習得して損はありません。

ディベート上級者のサインポストとは【応用編】

ディベート上級者のサインポストとは【応用編】
サインポストを使えるようになった方へ。さらにサインポストを極めたい人は、以下の2点に注力するといいと思います。

  • より少ない言葉で、より多く伝える
  • まめに立てる

① 少ない言葉で、より多く

サインポストは、簡潔でなければいけません。同時に、全体像を伝えなければいけません。どういう言葉で、どこを切り取ると、この2つを両立できるのか。

上級者の方がやっているサインポストを見ると、2 ~ 3文でサインポストをしていることが多いです。例えば、こんな感じになっています。

  • 結論1文 + その理由1文(なぜそれが起こるのか)
  • 結論1文 + インパクト1文(最終的に何が悪いのか)

コツは、結論(キーワード) + もう1文(なぜ本当か? / なぜ大事か?)。この組み合わせが、シンプルでオススメです。

② まめに立てる

スピーチを細かくみていくと、分岐点はたくさんあります。すべての分岐点に立てるのが、親切です。

また、そのためには自分のスピーチの構造を把握しておくことが大事です。プレパで思いついた内容から話していくのではなく、分類・整理しながら話していきましょう。

まとめ

この記事では、サインポストについて解説しました。サインポストは道しるべです。ジャッジの理解を助けます。積極的に使うといいと思います。

この記事が皆さんのお役に立てれば幸いです。

合わせて読みたい

ディベートでわかりやすいスピーチをするコツの1つに、AREAがあります。こちらもサインポストと並ぶ大事な要素です。こちらの記事で解説しています。

ディベーターにオススメな本

『即興型ディベートの教科書』


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