【自助論|要約】偉人に学ぶ!夢を叶えるための4つの名言【古典を読む】

読書

「夢や目標をかなえるための知恵を、古典から学びたい。」
「ビジネスに成功する方法を、たくさんの偉人たちの例から知りたい。」
「サミュエル・スマイルズの『自助論』に興味があるが、先に要約を見たい。」

このような悩みを持つ方に、スマイルズの名著「自助論」について、大事だと思った4つのポイントを要約してご紹介します。

 この記事で書いていること

  1. 成功に不可欠な「快活な努力」
  2. 小さなものごとへの「観察力」
  3. 「倹約」でみがく人間の資質
  4. 大きな夢も「平凡な実務」から

努力して成果を出したいものがあるとき、読んでいてよかったと思った本です。

スマイルズの自助論とは

スマイルズの自助論とは

夢の実現や、ビジネスの成功について書かれた啓発本は無数にあります。しかし、その中でも150年以上もの間読まれ続けている名著がサミュエル・スマイルズの「自助論」です。

本書は歴史に名をのこす多くの偉人について調査し、彼らに共通する「成功の要因」をまとめた本になります。さまざまな時代、分野、職業に共通した成功法則を知ることができます。

自助論のアイデアの特徴

先に、スマイルズの成功法則に対するスタンスを表した、この本の冒頭の1文をご紹介します。

天は自ら助くる者を助く。

すなわち、幸福や成功をつかむ人とは他人の力に頼るのではなく自分で自分を高めていく人です。本書のタイトルにもある「自助」の精神が大事です。

なぜなら、外からの助けは決して人を変えないからです。

どんなに厳格な法律を定めたところで、怠け者が働きものに変わったり、浪費家が倹約に励み始めたり、酔っ払いが酒を断ったりするはずがない。みずからの怠惰を反省し、節約の意味を知り、酒に溺れた生活を否定して初めて人間は変わっていく。

その上で、「自助論」が大事とする4つのポイントを要約してご紹介していきます。この記事が皆さんのお役に立てば幸いです!

自助論の要約①「まずは何よりも勤勉」

まずは1つ目。スマイルズが、成功する人にもっとも大切だとする性質がこちらです。

Point 1

最大限の努力を払ってでも勤勉の習慣を身につけなければならない。それさえできれば、何ごとにおいても進歩や上達は目に見えて早くなるだろう。

スマイルズが本書でもっとも大切だと説いているのは勤勉さです。なぜなら、仕事や勉強に一生懸命はげむことは夢の実現や成功にいつでも不可欠だからです。当然のことに思えますが、真理はいつもそういうものかもしれません。

彼は勤勉の大切さを繰りかえし説いているので、いくつかご紹介します。

人間の優劣は、その人がどれだけ精一杯努力してきたかで決まる。怠け者は、どんな分野にしろ、すぐれた業績を上げることなどとうていできない。骨身を惜しまず学び働く以外に、自分をみがき、知性を向上させ、ビジネスに成功する道はない。

諸君が天性の才能に恵まれているなら、勤勉がそれをさらに高めるだろう。もし恵まれていないとしても、勤勉がそれに取って代わるだろう。(画家レイノルズの言葉を引用)

「勤勉」+「快活さ」で無敵

またスマイルズは「勤勉」と組み合わされることで、あなたをさらに成功に近づける大切な性質があるといいます。それが「快活さ」です。

快活さは、人間の精神に弾性力を与える。元気で働いていれば恐怖心は消え去り、どんな困難に直面してもヤケを起こしたりしない。それは希望が心の支えになるためで、希望に満ちた精神は成功のチャンスを決して逃したりはしないのだ。

つまり、モノゴトの明るい面を見ながら働きつづけることが大事です。なぜなら、努力が実るにはいつでも時間がかかるからです。それを上手く耐えるには、希望と情熱を胸に快活に待つことがコツになります。

自助論の要約②「小さなものへの観察力」

続いて2つ目。成功者がみな共通してもつ能力のひとつがこちらです。

Point 2

むしろ彼ら(偉大な成功者)は誰にもなじみ深い平凡なことをよく観察し、そこにひそむ雄大な意味を読み取ろうとする。ありふれたことの背後にある本質を深く理解するところに、偉人の偉人たる最大のゆえんがあるといえるだろう。

私たちは、大きなことを成すためには「大きなチャンスや偶然に恵まれなければいけない」と思い込みがちです。しかし、そのような思い込みを取りはらい、ありふれた小さなものを観察することが大切です

なぜなら、重要な意味をもつモノゴトは平凡で取るに足らないものの中にあるからです。そして、多くの偉人はそのようなきっかけから成功を掴んでいます。

  • ガリレオはひもの先で揺れるランプを見て「振り子」の実用化にいたった。
  • 物理学者ヤングはシャボン玉に映る光を見て「光の干渉理論」を考えついた。
  • 冒険家コロンブスは船尾に漂う海草を見て、新大陸が近いことに気がついた。

スマイルズはこんなふうにも書いています。

取るに足らないちっぽけなことでも、それが実際には大いに役立つ場合が多い。だから、ビジネスにおいても芸術や科学においても、また、他のどんな分野でも、ささいなことをこまかく観察するのが成功の秘訣なのである。

「観察の目」を養うには?

ただし注意点があります。小さなことに目を向けたとして、なにかを見つけるにはやはりそれまでの努力の積み重ねが必要です。

よくよく調べてみれば、ひょうたんから駒というケースは皆無に等しい。偶然のできごとと呼ばれるものの大部分は、実は天才的な努力の末に勝ち取られたものなのだ。

なぜなら、努力して考え抜いていなければ同じものに触れてもなにも気づかないからです。

たとえば、ニュートンがりんごの落下から万有引力にたどりついたのは、彼が長年その研究に時間を費やしていたからです。観察眼は、勤勉によってきたえられます。

自助論の要約③「倹約で人格をみがく」

3つ目は、お金の使い方についての内容です。

Point 3

人間の優れた資質のいくつかは、金の正しい使い方と密接な関係を持っている。(中略)金を倹約して使うというのは、優れた人格者の基礎となる資質、すなわち分別や先見性や克己心を備えている証拠だ。

スマイルズ曰く、お金の使い方はその人の人格を表します。そして、優れた人になるには倹約することが大切だといいます。なぜなら、倹約してお金を使うことは、次のような能力を要するからです。

  • 未来のことを予測する思考力
  • 何にお金を使うかという判断力
  • 自分の欲求をコントロールする自制力

そして、これらは目標の達成や成功にも大切な資質です。スマイルズは、倹約についてこんな言葉でまとめています。

要するに節約とは、自助の精神の最高の表現にほかならない。

「お金より大事なもの」を守るのもお金

また倹約が大切な理由はもうひとつあります。それは、お金がなくなることでお金よりも大事なもの、すなわち心の平安や、誠実・寛容といったの美徳も失うからです。

自尊心や自立心など人間に有意義なものを与えてくれるのは、やはり金の力なのだ。(中略)貧乏は幸福を脅かす大敵だ。それは自由を破壊し、時には美徳をも麻痺させる。つましい生活さえできれば、心には平安が訪れ、他人にも恩恵を与えられる。自らにも救いが必要な人間に他人を救えるわけがない。十分な蓄えを得て初めて、人にそれを分け与えられるのだ。

「貧すれば鈍する」という言葉どおり、お金がなければ人として正しく生きたり、他人を思いやったりすることが大変になります。お金はよい生活に役だつ手段であり、そのためにも倹約が重要です。

自助論の要約④「ありふれた仕事を恥じない」

最後に4つ目。大きな夢や高尚な目標にむけ頑張ろうとしている方に向けた内容です。

Point 4

古来、偉人と呼ばれる人間は、高貴な目標を追求しながらも、生活費を得るための正直で有益な仕事を決して恥だなどとは考えてこなかった

立派な夢を志しているとき、目の前の「ありふれた仕事」や「生きるための仕事」を、無意味に感じることがあるかもしれません。しかし、スマイルズはそのように感じる仕事も大切だといいます。

なぜなら、ありふれた仕事をきちんと真剣にすることで大きな成功に必要な能力を身に付けることができるからです。

ビジネスの成功へ至る道は、同時に常識を身に付ける道でもある。ここでも知識の獲得や科学研究と同じように、ねばり強い努力や勤勉が欠かせない

実際に、学問や芸術で名を残した偉人にも、同時に実務に励んでいたという例が多く見られます。

  • 劇作家シェークスピアは劇場の支配人として成功を収めていた。
  • 科学者ニュートンは有能な造幣局長官であった。
  • 哲学者プラトンは油の売買で旅費をかせいだ。

ビジネスに励んで身につく力

また実務をとおして得られる力について、スマイルズは具体的に次の6つを挙げています。

どんなビジネスにも、それを効率よく運営するのに欠かせない原則が6つある。それは、①注意力、②勤勉さ、③正確さ、④手際の良さ、⑤時間厳守、⑥迅速さである。この6つの原則は、一見つまらないことのようにも思えるが、実際は人間が世の役に立ち、幸福や繁栄を得るにはきわめて大切な意味を持っている。

それぞれ簡単に説明すると、以下のようになります。

  1. 注意力:ささいな事柄に絶えまなく注意を払うこと
  2. 勤勉さ:頭をはたらかせ、精いっぱい努力すること
  3. 正確さ:責任をもって仕事を完璧にやり遂げること
  4. 手際のよさ:時間を浪費せず効率よく片付けること
  5. 時間厳守:約束を守り、待ち合わせに遅れないこと
  6. 迅速さ:今日やるべき仕事をを今日終わらせること

これらは、どんな夢を叶えるためにも役立つ力です。そして、偉人たちは「ありふれた仕事」もこれらの力を磨く機会として活用しています。

まとめ

この記事では、サミュエル・スマイルズの「自助論」から、成功に近づくための4つのポイントを要約してご紹介しました。

  1. 成功に不可欠な「快活な努力」
  2. 小さなものごとへの「観察力」
  3. 「倹約」でみがく人間の資質
  4. 大きな夢も「平凡な実務」から

ここでご紹介したことは、本書のほんの一部分です。すばらしい本なので、興味のある方はぜひ手にとってみてください。この記事が皆さんのお役に立てれば幸いです。